抜歯矯正が必要なとき
インビザラインによる矯正治療ではできる限り、抜歯をすることはしません。インビザラインでは抜歯をしなくても、歯を並べるスペースを獲得する方法があるからです。奥歯を後方に動かすこと、顎の横幅を拡げること、歯と歯の隙間を作ることで歯を並べることができます。
しかし、抜歯をしたほうがいい場合もあります。歯の萠出方向や位置に問題があるときなどです。抜歯をしたほうがよりメリットがあると判断したときのみ、抜歯矯正を選択することがあります。
インビザラインで抜歯矯正ができる理由
今まで、マウスピース型の矯正装置は抜歯矯正には不向きとされていました。それは歯を前後の方向に動かすことには不向きだったからです。しかし、インビザラインでは多くの症例に適応できます。
理由の1つに材質の改良があげられます。インビザラインはポリウレタンというプラスティック材料でできています。ポリウレタンは日常の様々な製品で使用されている身近なものです。現在のアライナーはポリウレタンから作られた、スマートトラックと言う素材でできています。従来のアライナーの素材より粘弾性があり、歯との適合が良くなりました。
この粘弾性の材料により、歯を前後的により動かせるようになりました。なので、抜歯をしたスペースを埋めるように歯を動かすことを可能にしています。
抜歯矯正のシミュレーション
上の歯並びが悪く、叢生の状態です。真中2番目の歯が左右とも内側に入った歯並びになっています。前歯の突出感も強く、歯を並べるスペースがないことから抜歯矯正を選択しました。
インビザラインのシミュレーション(クリンチェック)の動画で、抜歯をした歯はグレーに表示されます。グレーに表示された部分が少しずつなくなっていくのがわかるかと思います。クリンチェックで御覧頂いたように抜歯スペースを、埋めるように歯を動かすことができます。
抜歯矯正の例
20代の女性が来院されました。口元がすこし前に張っているのを気にされていました。
診させていただくと、上の歯が大きく、下の歯のでこぼこがすこし厳しい印象です。
検査とシミュレーションの結果、口元を後ろに下げるために抜歯した方が良い結果になることを話し合って確認し、治療方針を決めました。