子供の矯正とは?

お子さんの歯並びが気になるときはありませんか。
このままで、きれいな歯並びになるのか。

もし、矯正をするとしたら、いつ頃から始めるのか、いくら位かかるのか。
知りたいこと、疑問、不安は多いと思います。

巷に様々な情報があふれているのが現状です。
情報に振り回されることなく、歯科医院に訪ねてみることがおすすめです。

かかりつけの先生がいれば、まず、相談してみましょう。
矯正治療を専門にされていない先生でも、アドバイスを受けられると思います。

子供の矯正はいつから始めるの?

乳歯から永久歯に生え変わるタイミングで治療を始めることが多いです。
乳歯のときに、口の周りの力をコントロールする治療もあります。

乳歯と永久歯が混在しているときは、顎の骨が成長中です。
歯並びを良くするというより永久歯にスムーズに生え変わるようなイメージの治療です。
顎の幅を拡げる装置を使用して治療を行います。

永久歯に生え変わったあとは、成長はほぼ止まるので歯並びを良くする治療になります。

子供の矯正にはいくら位かかるの?

一般的に矯正治療は高いというイメージが強いと思います。
子供の矯正の費用も治療法や医院によって差があります。

乳歯から永久歯に生え変わるときの矯正治療は、費用は抑えられる傾向にあります。
子供の矯正、主に顎を拡げて歯が生え変わるのを誘導する治療だけで終わると、30万円程で治療が終わります。

子供ときの治療(Ⅰ期治療)は歯をきれいに並べる治療ではないので、歯並びをより良くしたい場合に成長が止まってからの治療(Ⅱ期治療)を行うことがあります。

Ⅱ期治療にかかる費用は装置や医院によっても違いがあります。
KDCグループではⅠ期治療からⅡ期治療へ移行したとき、Ⅱ期治療にかかる費用を優遇しています。

子供の矯正に必要な治療期間は?

乳歯から永久歯に生え変わるまでが、Ⅰ期治療です。
小学校低学年から小学校高学年くらいまでが主な治療期間になります。
3~4年は通院することになります。

ほぼ成長が止まってから行う、Ⅱ期治療を継続することもあります。
このときは2~3年くらいの治療期間を要することが多いです。
Ⅰ期治療をしていたことで、Ⅱ期治療の必要がなくなったり、期間が短くなることもあります。

子供の歯並び

乳歯列

乳歯は生後半年頃に下の前歯が生え始め、3才ごろまでに生え揃います。生えてくる順序や時期は個人差もあります。全部生えそろうと20本になります。上下左右にそれぞれ5本ずつの乳歯があります。
歯の形は永久歯よりも丸みがあり、歯と歯の間に隙間がある傾向にあります。永久歯に比べると、歯の厚みがないので虫歯に注意が必要です。
乳歯は永久歯に生え変わるときに、多くの場合、抜けていきます。自然に抜けるのが難しいときは、歯科医院で抜くこともあります。

混合歯列

乳歯と永久歯が混在しているときを混合歯列期といいます。永久歯の歯並びにも影響する重要な期間です。
乳歯の下には永久歯が埋もれた状態になっています。乳歯が永久歯の生えることをじゃましているときは、乳歯を抜くこともあります。このときの乳歯は根が短くなっているので、比較的容易に抜けます。
第一大臼歯(6才臼歯)が一番奥の乳歯の後ろから生えてきます。6~7才頃に、前歯が永久歯に交換し始めます。9~10才頃には、前から3~5番目が永久歯に生え変わります。この時期のスペースコントロールはよい歯並びと関係性が強いです。

永久歯列

11~12才頃に7番目の永久歯が生えます。7番目の永久歯が生えるときがⅡ期矯正を行うかの判断するタイミングになります。
上下、左右7本ずつの永久歯が生えると永久歯列は概ね完成です。8番目の歯(親知らず)は生えるかどうかは個人差があります。歯の種が骨の中に埋まったまま場合や歯の種がないこともあります。

不正咬合の種類

叢生(デコボコの歯)

やわからかいものを食べることが多くなり、顎の大きさが十分に成長しないことがあります。そのため、永久歯が生えてくるときに、歯の生えてくるスペースが不足します。結果として、歯がデコボコに並んだ状態(叢生)になります。
歯並びが悪い状態は、見た目だけでなく、虫歯や歯周病のリスクを高めるので注意が必要です。歯並びに不安があるときは、早めに歯科医院に相談することをお勧めします。永久歯に生え変わる前に、床矯正などで治療することで、重度の叢生になることを予防します。

反対咬合

通常のかみ合わせと違って、下の前歯が上の前歯より前にある状態のことをいいます。受け口と表現されることもあります。上の唇が凹んで、下の顎が強調されたように感じられます。
原因は様々です。上の歯並びの大きさが十分に拡がらずに、歯が内側に並んだときに起きることがあります。顎の大きさは十分でも、上と下で歯の並びの大きさに不調和が生じるからです。結果として、反対咬合になります。骨の問題で起きるときは遺伝や先天的な理由が原因になることが多いです。

上顎前突

上の歯並びが下の歯並びよりも前にある状態です。上の前歯が前に飛び出しているようなときと、下の顎が後ろの位置にあるときがあります。
見た目にわかりやすく、歯並びを改善したいと思うきっかけになりやすいです。また、前歯で咬みにくいことがあります。
原因として、指しゃぶり、舌を押し出す癖、頬杖、遺伝などがあります。1つの要素で作られるだけではなく、複合的要素からおこることもあります。

開咬

咬んでもしっかりと咬めないで、隙間ができる状態を開咬といいます。バイト(咬む)が開いているので、オープンバイトと呼ばれることもあります。開咬になる人は結構、多いと言われています。12~20歳までの10人に1人が開咬の状態にあると考えられています。
原因として、舌を前歯に押し付ける癖や指しゃぶりがあります。上の前歯が前に出て、上下の前歯に隙間ができます。口の周りの筋肉のバランスを崩すことや遺伝的な骨格の問題で、開咬を生じることもあります。

いろいろな矯正装置

床矯正

床矯正は永久歯に生え変わる時期(Ⅰ期治療)の子供に使うことが多いです。成長を利用しながら、顎を拡げることを目的とした装置です。歯の生えるスペースを確保することで、歯並びが悪くならないようにする予防矯正としての働きもあります。
床矯正は睡眠時に使用することが多いです。それは、顎の成長は成長ホルモンが多く分泌される夜間に起きるからです。学校に持って行く必要がないので、周囲を気にする必要はありません。
床矯正に多くの設計パターンがあります。顎を拡げるだけでなく、歯を動かすように力を加えることもできます。

アクチバトール

床矯正と同じように、取り外し式の矯正装置です。通常の床矯正は上下別ですが、アクチバトールは上と下が一体になっています。床矯正に比べると、装置が大きくなる傾向にあります。
適応症は出っ歯、受け口、深い咬み合わせ、咬み合わせの左右のズレなどを改善するために使用されます。それぞれのケースで、ワイヤーの形状は違い、目的に合わせて前歯を適切に動かすように、設計されます。

ムーシールド

乳歯列期の反対咬合は、唇や舌の不正な力で起こることがあります。上の唇を巻き込むことで下顎を前に出す力が働くことや、舌を低い位置で前歯に押し付けることで下の前歯を唇側に押しだすことでも反対咬合はおきます。
ムーシールドは唇や舌の力で歯が影響を受けないように設計され、筋機能をコントロールすることで反対咬合の改善を促します。

リンガルアーチ

リンガルアーチは歯並びを外側に拡げるための固定式の矯正装置です。装置は左右の奥歯にバンドを装着して、バンドに取り付けたワイヤーを歯にそわせるようにします。ワイヤーによって、歯の裏側から力がかかり、前歯を外に出したり、歯並びの幅を拡げることができます。

ヘッドギア

上顎前突のときに上の顎の成長を抑制したり、上の奥歯の位置を後ろに下げることで、前歯の位置を後ろに下げる目的で使用されます。
装置はまず頭に帽子のようなキャプと歯に固定式の装置を装着します。頭につけたキャップと歯につけた装置をワイヤーでつなげることで、上の顎や歯に後ろの方向に力がかかります。

チンキャップ

装置の構造は頭に帽子のようなキャップを被り、下顎の先にキャップを付けます。頭のキャップと下顎のキャップはゴムで結ばれます。このゴムによって、下顎に後方への力が働きます。
主に成長期における反対咬合の治療などに使用されます。下顎の成長を抑制したり、下顎の位置を後方に下げる効果があります。