投稿日:2018年2月2日  カテゴリ:インビザライン

マウスピース型矯正治療法(インビザライン矯正システム・薬機法外)生活にあたって

インビザラインの着脱

インビザラインの装着

インビザラインを装着するのは、意外と難しいです。矯正治療は歯並びの悪い人が行うものなので、マウスピースをまっすぐに入らないことがあります。基本的には前歯から奥歯の順でを入れるのですが、歯並びによっては左右平行ではなく、どちらかに傾けなければ入りません。特にステージの最初の方では装着の方向になれる必要があります。シミュレーションで歯の表面にアタッチメントが付くときはさらに、装着が難しいです。装着方向が3次元的に複雑になることがあります。 しっかりと正しい位置にマウスピースが入っていることを確認して、押し込みます。このときに、シリコン製ロール(アライナーチューイ)を咬んで適合を高めます。しっかり入らず、間違った位置で咬んでしまうと、マウスピースの変形の原因になります。

インビザラインの装着

インビザラインの外し方

インビザラインの外し方にはコツが必要です。インビザラインには外すための突起がついているわけではないので、マウスピースの辺縁に指を添えるようにして外すことが多いです。外す順番は奥歯の内側から外します。両方一度に外すのではなく、左右どちらかを浮かせてから、その反対側を浮かせて、前歯をめくるように外していきます。 一回で外そうとすると、アタッチメントが邪魔をして外れません。無理をすると、アタッチメントが外れたり、マウスピースが変形をしたり、歯に痛みがでたりということがおきます。 爪を伸ばしている方は、爪を傷めることのないように補助器具を用いることをお勧めします。小さなスプーンのような形状のものが外すときに適しています。

インビザラインの外し方

インビザラインと食生活

食事

インビザラインを装着中は食事をすることはできません。そもそもマウスピースをつけた状態では、咬むことが難しいです。インビザラインを装着したまま、食事をすると歯とマウスピースの間に食物残渣がたまります。この状態ではマウスピースの中で、細菌が繁殖してカリエスリスクを高めます。 食後、歯の表面は若干柔らかくなり、細菌に感染しやすい状態です。マウスピースに覆われていない状態なら、歯磨きができなくても唾液で少しずつ流れていきますが、マウスピースに覆われたままでは汚れがたまったままです。また、唾液には殺菌力と再石灰化の働きがありますが、マウスピースに覆われた歯は唾液の作用も低くなります。 色の濃い食事をするときは若干注意が必要です。わかりやすいものとして、カレーがあります。食後、しっかり歯を磨いてもマウスピースに色が付くことがあります。

食事

間食

食後に歯磨きができるのなら、間食しても問題でしょう。しかし、間食するような環境ではなかなか、歯を磨くことが難しいのが現実です。特に旅行や食べ歩きなどイベントがあるときは、インビザラインの使用を控えるのも1つの方法です。担当医と事前に相談して、使用日数の延長などの指示を受けましょう。

間食

飲みのもの

原則を水を飲むことをお勧めしています。砂糖が入っているものはカリエスリスクを高めるからです。スポーツドリンクならと思われるかもしれませんが、多くのスポーツドリンクには何らかの酸が入っているので控えたほうがいいです。ボトルカリエス症候群といって、運動中のスポーツドリンク飲用者にカリエスになることが多いことがわかっています。 砂糖も酸も入っていないお茶ならいいかと思われる方もいるでしょう。カリエスリスクという点では問題ありませんが、お茶はマウスピースにステインが付くので注意が必要です。目立たないはずのインビザラインが黒ずんでしまいます。マウスピース交換直前ならいいとも思います。 ストローを上手に使えば、なんでも飲めるのでは思われる方もいるかもしれませんが、まったく飲み物が口の中に回らないということは難しいので控えたほうが賢明です。

飲みのもの

歯磨き

歯ブラシ

インビザライン治療では、口腔内をきれいに保つことが求められます。磨き残しがあると、カリエスリスクや歯周病のリスクが高まります。マウスピースで覆われると、歯と磨き残しが密着して細菌の繁殖層を形成することになります。 治療が始まる前に、歯科衛生士に歯磨き指導を受けていただいています。歯磨きは自己流だと、磨き残しがところどころあります。染色して磨き残しの部位を確認していただきながら、歯ブラシがあたるように指導します。効率的な歯磨き法を身につけることは矯正終了後も、歯を保つために重要です。

歯ブラシ

歯間ブラシ

インビザライン矯正では歯と歯の間に隙間を作るIPRを行うこともあります。このように歯と歯の間に隙間ができた状態では、食物が挟まりやすくなります。磨き残しもできやすい状態です。 隙間が小さいときは歯ブラシでは磨けない部分ができます。そこで、歯間ブラシを使うことで小さな隙間と歯茎に近い部分の汚れを落とします。歯間ブラシの使用法もしっかり指導します。 磨き残しはカリエスリスクを高めるだけでなく、口臭の原因にもなります。口臭の原因にはいくつもありますが、食物残渣から発生されるガスによるものもあります。

歯間ブラシ

虫歯予防

虫歯予防として歯磨きの仕上げにフッ素ジェルを塗布することをお勧めしています。歯磨きの後に、ジェルを口腔内に入れてしばらく、うがいを控えるようにします。しっかりとフッ素を浸透させます。 また、キシリトール入りのタブレットを摂取することもお勧めしています。キシリトールは虫歯予防になるので有効的です。インビザライン装着中に甘みが欲しくなったときにも有効的です。

虫歯予防

インビザラインの手入れ

インビザラインの洗浄

外したインビザラインは、水洗いできれいにしましょう。洗うときにお湯は控えて下さい。マウスピースの素材は熱で変形しやすいものでできています。 しっかり歯を磨いていれば汚れがつくことは少ないですが、もし汚れがついていれば歯ブラシなどで磨きましょう。唾液や汚れがついたままにすると、石灰化して白くなったり、臭いの原因にもなります。 インビザラインは交換までに10日程使用するので、臭いや着色が気になることもあります。食べるものによって、マウスピースが黄ばみを生じることもあります。臭いや着色は洗っただけでは、改善されません。このようなときは洗浄剤を使用することをお勧めします。インビザラインには専用の洗浄剤が用意されているので、こちらを使用することが望ましいです。市販されている洗浄剤の中には、マウスピースを白濁されるものもあるので注意が必要です。

インビザラインの洗浄

インビザラインの保管

インビザラインにはあらかじめ、保管ケースがついてきます。保管ケースには色違いで2種類あります。赤のケースと青のケースがあります。青いケースを携帯用、赤いケースに1つ前のマウスピースを入れておく用に使い分けることをお勧めします。 インビザラインを外すときは食事のときくらいだと思いますが、そのときにティッシュに包んでおくと捨ててしまう原因になります。なので、外出時は保管ケースを携帯しましょう。 1つ前のマウスピ-スを保管しておくのは、現在のマウスピースを失くしたときに使用するからです。マウスピースを失くすと再作成になりますが、到着までの間に何も入れない状態では歯が動くからです

インビザラインの保管

こんなときどうする?

痛みがあるとき

インビザラインはワイヤー矯正に比べると痛みが出ることは少ないです。しかし、新しいマウスピースに変えて2、3日は痛みが出ることがあります。その後は痛みを感じることは少ないです。最初の3日間に矯正力が加わるためです。 取り外しのときに痛みが出ることもあります。特にアタッチメント(白いポッチ)を付けると、取り外しのときに歯に刺激が伝わり痛みが出ることがあります。取り外しの方向を考えることで、歯に刺激が少なくなるようにします。 インビザラインの辺縁が舌や唇にあたって、痛みが出ることもあります。ひどいと口内炎になることもあります。このようなときは、辺縁を丸めるなどして、舌や唇に刺激が伝わらないように対応します。辺縁を適度に丸めることで、矯正力に変化がないようにします。

使えないときやサボったとき

インビザラインをどうしても使えないこともあります。体調が悪い、旅行に出かけるなど。また、ついサボってしまったなんてこともあります。 このようなときは、インビザラインの装着日数を延長する必要があります。インビザラインは一日20時間以上を10日前後装着して、治療効果があるからです。規程の時間に到達しなければ、十分な矯正力を発揮しません。正直に、担当医に話して指示を受けるようにしましょう。

変形したとき

インビザラインは何度も取り外すうちに変形をすることがあります。辺縁が開いてきたときは、マウスピースを指で絞るように力をかけて元の形状に近づけます。こうすることで新しいマウスピースに近い適合を再現できます。 八重歯が張り出したような歯並びでは、マウスピースの辺縁が開いた状態では唇に刺激が伝わる原因になります。しっかりと適合するためだけではなく、唇や舌への刺激を減少させるためにも、辺縁を指で絞ることは重要な意味があります。

インビザラインと歯にズレができたとき

インビザライン矯正はシミュレーション通りに、歯が動かないとマウスピースと歯の間にスペースができます。このスペースのことをエアスペースと呼びます。スペースが少しのときは気づきにくいです。スペースが大きくなると、唾液が混入した状態になり自分でもはっきりとわかるようになります。 ズレが状態でそのまま、治療を続けても効果は得られません。なので、再度、印象を取り直します。もう一度、シミュレーションを作成しマウスピースを発注します。インビザラインでは最初のマウスピースが発送されてから5年間は再作成することができます。最終的に納得の行くところまで治療をすることができるようになっています。

引っ越しのため、通院が難しくなったとき

インビザラインには転院ができる精度があります。引っ越しなどで今までの医院に通えなくなったときでも、引き続き治療を受けていただくことができます。患者さんのデータも引き継がれるので治療方針も変わることはありません。費用は各医院で違うので相談していただくことになります。

ガムを噛みたくなったらどうする

インビザラインを装着しているときにガムを噛みたくなったときは、インビザラインを一度、外す方が無難ではないでしょうか。無理にでもガムを噛むことはできるかもしれませんが、食感のことを考えるとお勧めできるとは言えません。もし、どうしてもインビザラインを装着中にガムを噛むときはキシリトール入りガムのようにカリエスリスクの低いものを選びましょう。

後戻りが起こったときはどうする

どんな矯正治療でも後戻りは起きます。インビザラインで、矯正治療を行って後戻りが起きることがあります。インビザラインでは追加アライナーを出せる期間にゆとりがあります。最初のマウスピースが発送されてから5年間は追加アライナーを発注できるので、再度マウスピースを作ることができます。なので、後戻りが起きたときでも安心です。